臨床研修



救急・集中治療・麻酔科基礎コース概要

【研修コース名】
製鉄記念八幡病院後期研修救急・集中治療・麻酔科基礎コース

【研修期間】
3年間

【募集人員】
1名

【診療科】
救急・集中治療部、麻酔科

【取得資格(学会による認定内容)】
日本呼吸療法医学会呼吸療法専門医研修施設
日本麻酔科学会麻酔科認定病院

【指導体制】
医師数 5名(常勤)内指導にあたる医師3名
指導責任者:海塚 安郎(救急・集中治療部長)

【コースの目的と特徴】
 医療は、高度専門化し日々進歩している。その一方対象患者は、ますます高齢化し、多くの併存疾患を持ち、複雑化している。そのような患者に、高度専門化した医療を実践するためには、その基礎となる患者管理の知識、手技、実践、病院内チーム医療のリーダーたり得る資質の涵養は重要である。また、思わぬ急変時への適切な対応、その後の治療を身につける必要がある。具体的には、呼吸、循環、体液電解質、疼痛・鎮静、栄養の各種管理であり、麻酔手技に裏打ちされた急変時の対応、集中治療学に基づいた以後の重症患者管理となる。それに加え医師として避けて通れない、一般疾患の診断・治療、および感染症治療の原理原則から難治症例の治療まで習得することが重要である。以上の各事項の知識、手技の習得、その実践、さらにチームリーダーとしての資質を身に付けることが本研修の目的となる。
 主たる対象患者は、救急外来受診症例、ICU・救急(11)病棟入室症例、手術麻酔症例、およびNST、ICT、RST回診患者となり、診療科ベースではなく院内全体にまたがる。重症度が高い、あるいは解決すべき問題を持った症例である。
 初期研修で以上に述べた事項について、その必要性を認識し、多様な症例を経験したいと考える医師に対し後期研修医として本コースを設定する。
 研修部門での特徴は、ICUはセミクローズドで運営されており重症患者管理はICU医師により行われている点、救急外来からICU・救急病棟が一体で機能している点、各種専門分野を持つ麻酔科医師が充実している点、そして院内チーム医療(ハリーコールシステム、NST、ICT、RST)が実践的に機能している点である。
 これを生かし、後期研修医はICU・救急病棟で患者治療管理に参加するが、その対象疾患はICUでは敗血症、多発外傷、重症熱傷、重症呼吸不全、術後臓器不全と多岐にわたる。一方救急外来では、一次から三次の各種重症度の患者の初療にあたり、重症例では引き続きICUでの診療を行う。麻酔科では、種々の合併症を有する患者の周術期管理(術前、麻酔、術後管理)に対して十分な経験を積むことができる。また院内チーム医療(NST、ICT、RST)のメンバーとして教育/回診/診療に参加する。救急部が統括しているハリーコールシステムでは、院内スタッフの研修、啓蒙を行い、出動時の司令塔としての医師として役目を担う。
 院内での研修を原則とするが、3年間で不足する項目(PCPS、精神科救急、小児患者管理等)でかつ後期研修医が経験習得を望む場合には、別途院外研修を実施する。

【到達目標】
(1)呼吸、循環、体液電解質、疼痛・鎮静、栄養、感染管理が実践できる: 各疾患の病態生理の理解、それに基づく臨床の実践、各種医療機器(呼吸器、麻酔器、透析、PCPS等)の適応とその使用法の理解、治療方針の決定に参画し自らの考えをまとめそれを実践できる。救急/集中治療/麻酔医としての広範な基礎を固める。
(2)日本麻酔科学会によって示された"教育ガイドライン"の中の「学習ガイドライン」、「基本手技ガイドライン」、「薬物ガイドライン」に述べられている事項や手技(小児麻酔、心臓外科手術の麻酔を除く)を習得し、麻酔科標榜医(または、日本麻酔科学会認定医)を取得する。
(3)超音波検査、気管支鏡、消化器内視鏡の手技および診断法の習得: 循環器科、呼吸器内科、消化器内科、放射線科の協力のもと基本手技を習得し、ICU、救急外来での実践により目標到達を目指す。
(4)各種症候、疾患に対する至適画像診断の選択、読影力の習得: ICU、救急外来での実践に加え、脳血管内科、脳神経外科、放射線科、内科、外科、整形外科の協力のもと目標到達を目指す。
(5)一般的な疾患の診断治療ができる: 救急外来で各科専門医から学ぶ。
(6)チーム医療の必要性重要性を理解し、実践のための組織作り、スタッフ育成のための教育が行える。
(7)チーム医療の一因として、栄養、輸液、抗菌薬使用法、呼吸管理について現在の標準的治療を理解し、必要時各症例に具体的提言ができる。
(8)臨床上の疑問点を認識しそれを解決出来る自己研鑽の方法論を身につけ、臨床におけるUp-to-dateな知識を獲得できる。また、1回/年以上の学会発表並びに論文投稿を目標とする。

【研修科概要と経験目標】
疾患名 年間症例数 経験目標(年間)
敗血症 15 15
重症熱傷 5 5
多発外傷 3 3
ARDS 15 10
外科術後合併症 10 5
CPA 15 10
救急外来 6000 300
NST回診 120 60
ICTコンサルト 60 30
RST回診 20 20

手術・手技 年間症例数 経験目標(年間)
 麻酔症例(麻酔中の手技)    
外科 600 120
整形外科 500 100
形成外科 180 35
産婦人科 50 10
皮膚科 5 1
泌尿器科 150 30
眼科 60 12
耳鼻咽喉科 120 25
脳神経外科 100 15
血管外科 200 40
麻酔科 10 2
腎臓内科 20 4
 救急・集中治療    
中心静脈カテーテル/ポート 30 10
動脈ライン確保 50 20
挿管(救急外来・集中治療) 30 10

<< 前のページへ(後期臨床研修プログラム)