がん診療センター


がん診療センターにかける思い


副院長・がん診療センター長  「がん診療センター」は、5大疾病のひとつであり全死因の3分の1を占める「がん」の診療体制をさらに強化するために開設されました。当センターは、がん診療に携わる各診療科の医師のみならず、各部署が連携を密にし、総合的、包括的にがん診療を行います。地域との連携を大切にし、信頼されるがん診療体制を確立させていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


副院長・がん診療センター長  東 秀史



 がん治療の標準化のために治療ガイドラインなどが整備されつつありますが、実際の診療においては、的確な診断と治療方針の決定、最適な治療の選択、全人的な緩和医療、と多岐にわたり、それぞれの施設の総合力が問われます。外科はがん診療の中心的な診療科として、センター化による総合的な診療により全国標準、世界水準のがん診療をめざします。当院の特徴として高齢者や高リスク例が多いことがあげられますが、各チームが協力して、安全かつ根治的な外科治療を行うべく努力していきます。
外科部長  折田 博之


 肝がんは我が国のがん死亡原因の第4位であり、約70%がC型肝炎およびB型肝炎ウイルスによる慢性肝炎または肝硬変を基盤として発症します。発がんリスクが高い慢性肝炎または肝硬変症例に対して積極的に抗ウイルス療法(インターフェロンおよび経口ウイルス治療薬)を行うことで肝発がんは抑止されます。肝がん治療は科学的根拠に基づく肝がん診療ガイドラインに従って行っています。さらに、肝がん治療後の症例に対しても同治療を繰り返すことで、肝がん症例の生命予後は著名に延長しています。
2014(平成26)年に入院または外来診療を行った肝がん患者実数は約450例で、当院で診療された新規肝がん症例は53例です。患者さんのQOLを損なうことなく、生命予後の延長に繋がる治療を心がけています。
肝臓内科部長  山下 尚毅


 以前日本人の国民病といわれた胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ除菌療法や検査・治療技術の進歩のおかげで「死に至る病」ではなくなりました。治療でも内視鏡的粘膜下層剥離法(ESD)が食道・胃・大腸の早期がんで可能となり、当院では460例以上のESDを行ってきました。胸腔鏡・腹腔鏡手術を含めた低侵襲治療が主流となりつつある現在だからこそ、重要なのは「早期発見・早期治療」なのです。
消化器内科部長  中村 滋郎


 がん死亡原因の第1位である肺がんは進行した状態で発見されることが多く、また早期に診断された場合でも治療成績は満足できるものではありませんが、新たな薬剤の登場で少しずつ進歩しています。治療成績を向上すべく、呼吸器外科、放射線科とともに診断・治療方針を検討しています。がん診療センター充実により一層の連携を深めていきたいと思います。
呼吸器内科部長  今永 知俊


 消化器のがんに対して、手術などの外科治療は大きな武器ですが、がんの診療は決して外科のみでは完結できず、他科の医師・薬剤師・看護師・リハビリ・メディカルソーシャルワーカーなどの多くの部門との連携が必須なチーム医療です。がん診療のセンター化により各部門の力が結集されることで、より良いがん診療が期待できます。がん診療センターの一員として、消化器がんの外科治療で、ひとりでも多くの患者さんのお役に立てるよう努力いたします。
消化器外科部長  牧野 一郎


 当施設は日本がん治療認定医機構および日本臨床腫瘍学会の認定研修施設です。肺がんを代表する胸部悪性腫瘍では手術だけにとどまらず、化学療法(抗がん剤療法)や放射線療法といった集学的治療が求められます。私は呼吸器外科医でありますが、抗がん剤を専門に取り扱うがん治療認定医として、また西日本がん研究機構(WJOG)や九州肺癌研究機構(LOGIK)といった研究グループの一員として、胸部悪性腫瘍の臨床試験を推進しながら、標準治療の確立、治療向上をめざしたいと思います。
呼吸器外科部長  塚本 修一


 がん患者さんの多くは「がん」と告知され、その後治療が進められていく中で心身ともに苦痛を負っています。国は2012(平成24)年のがん対策推進基本計画の中で、重点的に取り組むべき課題として「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」をかかげています。今、がんの進行期のみならず早期からの緩和ケアの介入が求められています。当院では、2004(平成16)年から専門病棟を設立して以来、緩和ケアに力を入れてきました。緩和ケア領域は近年著しく進歩しています。私たち緩和ケアチームは、今後も良質な緩和ケアを提供することにつとめていきます。
緩和ケアチーム長(兼務)  牧野 一郎


 婦人科のがんで最も多いのは子宮がんです。子宮がんには、子宮の入口の頸部に発生する頸がんと、子宮の奥の子宮内膜から発生する体がんがあります。同じ子宮のがんであってもこの2つのがんは別のものです。子宮頸がんの発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関係してますが、体がんの発生とHPVの感染は関係ありません。子宮頸がんは健診を受けることによって早期発見が可能です。当科では、子宮頸がん検査充実のため、液晶モニター付コルポスコープを使用し、HPV検査を導入しています。現在、欧米に比べて低い日本の子宮頸がん健診受診率を改善することが課題となっています。
産婦人科担当部長  林 嘉信


 泌尿器科のがんでは膀胱がん、前立腺がんが多く、近年高齢化社会にともない患者数は増加傾向を示しています。泌尿器ではがんの診断から治療(手術、化学療法、放射線治療など)、緩和ケアまで泌尿器科が中心になって行っていました。がん診療のセンター化により泌尿器科はもとより、各科が協力しあって総合的にがん治療に取り組める診療体制が構築されるよう努力していこうと考えています。
泌尿器科部長  奥村 幸司


 放射線治療は、手術療法・化学療法と並んで、がん治療の重要な治療法のひとつになっています。昨年度より治療機器の更新および治療計画ソフトの充実により、従来よりも精度の高い治療が可能となりました。他科との緊密な連携を持ちながら、放射線治療に携わっていこうと考えてます。
放射線科部長  鎌田 宏二


 病理診断科は、近年欧米流の医学が急速に流入し、病院診療になくてはならない部門として認識され始め、2010(平成22)年より標榜科としても認知されるようになりました。がん診療は集学的治療といわれるように、多くの領域のスタッフが参加して、ひとつのチーム医療として成り立つものです。 病理診断科では、病理専門医2名に加え、山口大学からの応援体制もでき、がん診療というチーム医療の一端を病理診断と診療精度の担保という立場から支えていく所存です。
病理診断科部長  下釜 達朗


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