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脳血管内科
- 【診療方針・特徴】
- 脳卒中はがん、心臓病につぐ日本人の死亡原因の第3位で、寝たきりの原因では第1位を占めています。また、高齢者のみならず、若年発症の脳卒中も問題となっています。近年、脳卒中医療は大きく変化し、診断技術、治療技術は飛躍的に進歩しています。特に発症から4.5時間以内の超急性期症例には、血栓溶解療法による劇的な改善が期待できる症例もあります。すなわち、脳卒中は一刻も早く治療を開始するべき救急疾患であるといえます。適切な治療により、社会復帰が可能となるケースも少なくありません。当院では、24時間体制で積極的に脳卒中急性期症例を受け入れ、脳卒中専門医や脳神経外科専門医が連携し、迅速な診断のもと、的確な急性期治療を提供いたします。また、急性期のリハビリテーション、合併症予防についても、理学療法士、看護師と協力して取り組みます。
また、脳卒中は予防も重要です。一過性の手足の麻痺や言語障害、眼症状などを呈した症例、脳ドックや他科のスクリーニングで脳血管に狭窄や閉塞がみられた症例に対し、専門的な評価を行い、最適な予防法を提供いたします。
脳卒中は血管病です。心臓病や手足の血管の動脈硬化、腎臓病など、他の血管病を合併することも少なくありません。脳卒中の診断・治療を行う際は、必ず他の血管病の合併をチェックし、各科専門医と連携し、総合的な治療をめざします。
地域医療支援病院の脳卒中専門チームとして、脳卒中をはじめとする脳血管障害、脳神経救急疾患の初期診療に全力で取り組みます。
【脳梗塞超急性期血栓溶解療法】
- rt-PAをもちいた超急性期(発症4.5時間以内)血栓溶解療法は、2005(平成17)年10月の認可以来、今や脳梗塞急性期治療の柱となっています。
私たちは脳神経外科と一体となった脳卒中・神経センターとして、24時間全力でこの治療に取り組み成果をあげてきました。2014(平成26)年12月末時点で計229例に投与し、その多くで症状の改善を得ています。これは全国的にもトップレベルの実績です。この治療は、患者さんの迅速な受診、チーム医療によるスムーズなrt-PA投与、投与後の的確な再発予防のどれが欠けても成り立ちません。患者さんと一体となった有効な治療の提供をめざします。
【超音波検査】
- 最新超音波装置の導入もあり、脳神経超音波検査にも力を入れています。頸動脈の異常を検査する頸部血管エコーや心臓や大動脈を評価する経食道エコーを積極的に施行しています。
さらに脳神経外科との連携で、脳血管血行再建術施行の患者さんに対しては、周術期の血行動態のモニタリングとして術前・術中・術後に超音波検査を応用しています。
- 【診療実績】
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2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
2014年 |
入院総数 |
451名 |
498名 |
584名 |
630名 |
666名 |
急性期脳卒中およびTIA |
217名 |
247名 |
293名 |
324名 |
331名 |
亜急性期〜慢性期脳卒中または脳血管精査 |
189名 |
210名 |
233名 |
328名 |
241名 |
その他の疾患 |
45名 |
41名 |
58名 |
68名 |
94名 |
頸部血管エコー件数 |
674例 |
819例 |
1060例 |
1058例 |
1065例 |
経食道心エコー件数 |
154例 |
172例 |
260例 |
245例 |
227例 |
【取り扱っている疾患】
- ・脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
・一過性脳虚血発作、一過性黒内障 ・無症候性の頚動脈や脳動脈の狭窄・閉塞 ・その他の神経救急疾患 (髄膜脳炎、高血圧性脳症、ギランバレー症候群、末梢性顔面神経麻痺など)
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